第10章 番外編
(番外編‐俺の高校生活。*丸井‐)
只今の俺、本気で本当に大ピンチです、誰か助けて。
何で、どうして…こんな事態になってるんですか…!?
誰か切実に、今の状況の説明を本気で頼む…!!
『なあ、ブン太…俺本気でお前の事が好きなんだよ』
「だーかーらー!名前で呼ぶな、俺に近付くな、頼むから告白とかすんな…!」
場所は盟星学園の体育倉庫…って、
何で俺こんな所に押し込められてんの!?
『そんなツレないこと言うなよ』
「ちょっ、マジでストップ!それ以上近寄んな!」
ジリジリと俺に近付いてくんのは同じクラスの男子。
っつか、男子校だから男子しか居ないわけで…。
つまりはそう言う事だ、
俺は今、男に愛の告白をされているのである。
「本当にお願いします、暴走ストップでお願いします…!!」
『好きな子目の前にして止まれると思うか?』
「止まれ!マジで止まれェェェ!!…ーーぉわっ、」
ジリジリと近付いてくるクラスメイトから逃げる為に
ジリジリと後ずさる俺に地獄が見えた。
ガッ、と俺の踵が当たったのは壁…邪魔だ壁ェェ!!
あれか!襲われる女の気持ちってこんなんか!!
俺、絶対死んでも女襲わねぇ…!!
とか、アホな事を考える余裕があるあたり
俺はまだ幾分か冷静さを持ってたらしい。
……た っ た 今 ま で は 、 な 。
『なぁ、本気で好きなんだ。ーー逃げんなよ』
ガッツリと俺の両腕を拘束して
スルリ、と俺の足の間に自分の足を割り込ませるクラスメイト。
やめて、ちょっ、膝が俺の大切なとこに触れる…!
いや、無理!マジで無理ぃぃぃ!!
俺にはそう言う世界に足を踏み入れる覚悟はねぇんだー!!
人はきっと、大切なものを失いそうになった時、
必要以上の力が出るんですね、はい。
「俺はノーマルなんだーー!!」
『ーーっ!』
俺は目の前のクラスメイトの下半身目掛けて蹴りを繰り出してた。
…あ、いって…やったこっちも何か痛ぇ。