第4章 初恋は唐突に
デビューから数年後
私は特徴的な性格と
歌唱力、
そして何より
花江夏樹と仲がいい
というところで売れた
人脈がものを言う世界
分かっていても、人脈目当てで私に近づいてくる人達に優しく接してしまう
優しくするのがダメなわけじゃない
でも、社会の暗黙の了解として
普通はそこまで仲良くしない
でも私は
ものすごく仲良くなってしまう
「はあ……」
「どしたの?」
「あ、お兄ちゃん…」
私は何故か花江さんと仲が良くなって
今はプライベートではお兄ちゃんと呼ぶほどに
「なんでもないよ。いつものぼーっとしてるやつ」
「うっそだあ笑」
「はいはい嘘で結構」
「あ〜そういえばね」
「うん?」
「いつもの闇の3人でまた動画とるんだけど、終わったあと飲みに行くから一緒に行かない?」
「え〜……お兄ちゃん……」
「いや今回はそこまで飲まないよ!!」
「ちゃんとノンアル飲むから!!」
「あからさまにそんな嫌そうな顔しないで!!」
「それならよかった」
「何気に江口さんに会うのは私はじめて」
「え、そうだっけ?」
「うん、賢章さんには何回か会ったけど」
「じゃあ江口さんにが会うのめちゃくちゃ楽しみにしてるって言っとくね笑」
「そんなこといってないわ笑!!」