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【ツイステ】欲は大釜に溶かして煮る

第3章 Chandelier/リーチ兄弟


期末テストが終わり、ホリデーに入ったらゆっくり過ごそうと決めていた。学園長から火の番と引き換えにホリデーのご馳走を獲得することも出来た。これで、楽しいホリデーを過ごせると思ったが、突如現れたジェイドとフロイドの手によってホリデーは一変した。

「小エビちゃん迎えに来たよ!」
そう言ってオンボロ寮に満面の笑みで現れたジェイドとフロイドが来たのが約1時間前。
呼んだ記憶も、呼ばれた記憶もないのだから迎えに来てもらう理由がないのに、ほぼ強制的にオクタヴィネル寮に連れて来られた。

「ようこそ。お待ちしておりました。」
オクタヴィネル寮に着くとアズールがいつもと同じ胡散臭い笑顔で出迎えてくれた。荷物を空き部屋に置かせてもらうと、アズールから袋を二つ渡される。両方とも透明な袋に入っており、中は赤を基調とした布だった。
「これは?」
「今日の衣装です。」
「衣装?」
「えぇ。監督生さんとグリムさんには今日一日これを着て過ごしていただきます。」
「やだと言ったら?」
「二人があなたの着替えを手伝います。」
「…自分で着替えます。」
「では、僕達は準備があるので。着替えたらモストロ・ラウンジに来てください。」
アズール達が居なくなったのを確認して、中身を確認する。衣装を広げてみると、グリム用と思われる方は小さな赤いマントと三角帽子だった。グリムに着せると赤が映えて可愛いサンタクロースになった。
「良いじゃん。似合うよ。カッコいい!」
拗ねて脱いでしまうのを避ける為に可愛いは避けて褒める。最初は嫌がっていたグリムはカッコいいと言われて得意げにポーズを決める。それをユウはスマホで撮影し、エースとデュースに写真を送る。そして、特に可愛く撮れた一枚を壁紙に設定する。
「ユウはどんな衣装なんだゾ?」
グリムに言われ、もう一つの袋を開ける。グリムの分を見て想像はしていたが、こちらもサンタクロースの衣装だった。しかも、ワンピースタイプでその丈は短い。
「………。マジか。」
何もない筈がなかった。双子についてきたことを激しく後悔する。今から逃げることも考えるが、その前にみつかる可能性が高い。そうなると、双子の手によって着替えをさせられるということになる。
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