第5章 ep.04 貴女と居たい
恰幅の良い男
「おう、ミフウ。今度は可愛い助手をつけたんだな」
ミフウ
「そうだろう?」
恰幅の良い男
「ノムより良いや」
ノム
「聞こえてるっつーの。つか、オレは助手じゃねぇ」
ミフウ
「あの子にちょっかいかけたら、ただじゃおかないよ」
恰幅の良い男
「そりゃおっかねぇや!ははっ、ノムで我慢だな」
ノム
「うっせーよ、おっさん」
その日、リディアはミフウの治療の手伝いをノムとしていた。
けらけらと豪快に笑う恰幅の良い男は、良くミフウの世話になるらしく手伝っているノムとも仲が良い。
そんな三人の様子をリディアは微笑ましそうに眺めていた
恰幅の良い男
「んじゃ、ありがとさん!お嬢ちゃんも、じゃあな!」
リディアが手を振り返すと、豪快な笑みを残して男は医務室を出ていった。
ノム
「たく、相変わらずうるせぇな」
ミフウ
「確かにね」
リディア
「楽しい人だね」
ノム
「そうか?うるせぇだけだって」
やれやれ、と疲れたように首を振るノムを見てリディアは笑った。
あれからリディアとノムの関係も良好で全員の間には和やかで温かい空気が流れている
リディア
「あ、そうだ。今日は街に買い出しに行こうと思ってたんだ」
思い出しては慌てた様に持っていた器具を置き。
それを見たノムは背凭れから身体を起こし
ノム
「暇だし荷物、持ってやろーか?」
リディア
「え?ううん、大丈夫。そんなに沢山は買わないつもりだから。ありがと、ノム」
ノム
「そ、そうか」
再び背凭れに身を預けるノムを見てミフウは笑った。
それからリディアは二人に手を振って医務室を出た
リディアは大通りに出る前に深呼吸をしてから、また歩き出した。
食べ物や日用品を買って紙袋を持ち直してから、ヴィンスとフリントの欲しい物が書かれているメモを見る。
ちなみに二人は、ヴィンスが船を買ったと言っていてフリントは興味があったらしく見に行ってしまった
今度、全員で海に行くらしくリディアはわくわくしていた。
リディア
「わっ……ご、ごめんなさい!」
人通りの多い道をメモを見ながら歩いていたら前方不注意でぶつかってしまった