第15章 ep.14 君を助けたい
ノム
「終わった…のか?」
既にリディアとの戦闘で疲弊しきって肩で息をしながら、様子を見守っていた全員が灰になるのを見届け…力ないノムの声がそこに響く
フリント
「…みたいだな」
ミフウ
「疲れた…」
それどれが床に座ると、息を切らしながら天井を見上げるリディアにヴィンスが声を掛ける
ヴィンス
「リディア…大丈夫か?」
リディア
「うん…皆ごめんね。…皆のその傷、私がつけちゃったんだよね」
ヴィンス
「けど、自我がなかったんだ。君のせいじゃない」
ミフウ
「そうだよ」
リディア
「だとしても…皆に怪我させちゃったのは事実だから」
フリント
「ったく、何うだうだ言ってんだよ。…お前が無事に帰ってきた、それだけで充分だっつーの」
リディア
「フリント…」
ミフウ
「そうさ。…薬に負けなかっただろ、偉いよ」
リディア
「…ミフウ」
シディ
「そうそう、こうして誰一人欠けずにいるんだからよ」
ヴィンス
「けど、皆に黙って出て行った事は許さない。…俺達は仲間だ、皆で背負うもんだ」
ノム
「そうだぞ。リディアがオレ等を守りたかったように、オレ等だってあんたを守りてぇんだから」
フリント
「こういうのは、これっきりにしろよ」
リディア
「皆……うん、ごめんね…それと、ありがと」
全員から掛けられた言葉全てはリディアの心に染み込み、いつまでも大事にしようと思った。
ずっと独りだと思っていたリディアの周りには気が付けばちゃんと彼女を受け入れてくれる仲間達がいた。
それを改めて実感できたリディアは、ただ幸せを感じる