第13章 新居と継子たち
「……とてつもないな?!まぁ……それに関してはまた詳しく分かれば教えてくれればいい。それで新居に身を置くとの話しだか……ここにもたまには帰ってくるのだろう?」
不安げだ。
本人は不安だなんて言わないし、表情も険しく保っているつもりかもしれないが、声音やいつもより下がっている眉が雄弁に語っている。
「ご安心ください!私も杏寿郎君もお義父さまと千寿郎君が大好きなので、日の出ている時間帯のみとなりますがお邪魔させていただきます!」
「そ、そうか!お邪魔と言わず帰ってくると言いなさい!ここは既に更紗の家でも……ゴホンっ!!ここはお前たちの家だ。いつでも帰ってくるといい」
大好きと言われ舞い上がってしまった槇寿郎への杏寿郎の生温かい視線を感じて唐突な咳払い1つで威厳を出し始めたが、口元がゆるゆるなので威厳はない。
それでも杏寿郎は父親の威厳のために生温かい視線を送るのをやめて、穏やかな笑みに切りかえ頭を下げなくてはいけないので大変だ。
「ありがとうございます、そうさせていただきます。あと……今日共にここに来た3人を新たに継子として迎えます。そのうちの1人、額に傷のある少年の連れている妹が……」
「鬼なのだろう?」