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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第12章 夢と現実 弐


杏寿郎はもう何度斬り落とした分からない腕を再び切り落として更紗を猗窩座から解放し、今度は自分が更紗の手首を掴んで走るよう促した。

「ここから離れるぞ!走れ!」

「は、はい!」

杏寿郎は勿論、弱い奴に興味はないと自分を眼中に入れてすらいなかった猗窩座に、突如闘いに引き入れられた更紗が1番混乱している。

こうして皆を危険から遠ざけるために足を動かしている間も、猗窩座はなんとなくだが力を加減して追いかけてきているように見える。
何もかもに意図が理解出来ずやはり更紗は例えようのない違和感に覆われた。

そして炭治郎たちや乗客と十分距離を取った所で杏寿郎と更紗は足を止め、猗窩座へと向かい合って刃を向ける。

「どういうつもりだ?君は自分より力の弱い者には興味がなかったのではないのか?」

「あぁ、ないな。だが杏寿郎が弱い者に構うばかりに本領を発揮出来ていない状況が我慢ならない。その女が逃げ出したり闘うことをやめない限りあそこの奴らは襲わないと約束してやる。いい案だと思わないか?」

案と言いつつ、これは拒否権の存在しない決定事項なのだろう。
そうでなければ更紗を強制的に引きずり出したりしないはずだ。
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