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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第9章 風柱と那田蜘蛛山


「更紗ちゃんは鬼殺隊剣士としては当たり前の事を言っているので、頭を下げる必要はないのですよ。あくまで私達の心の内を煉獄さんのお父上は代弁してくださっただけですから。さっそく煉獄さんにお伝えしますので、しばらく待っていてくださいね」

しのぶは立ち上がって窓へと移動し、自らの鎹鴉を呼び寄せ着々と連絡の手筈を整えていく。

その様子を少しの間見ていたが、今回の件で気になっていたことを槇寿郎は更紗に問う。

「杏寿郎が即座に反応出来なかった鬼を更紗は見たのか?」

槇寿郎の疑問に更紗は首を傷付けられる一瞬前の不思議な光景を思い出しながら答えた。

「はい、いきなり何もないはずの所に障子が現れて、その中から当主の鬼と……その背後に黒い着物を纏った綺麗な女性の姿が見えました」

「血鬼術か?……それにしても背後にいた着物の女も得体が知れず気持ち悪いな」

「その鬼の血鬼術なら怖いですね。いつ更紗さんの前に現れるか検討もつきませんし……」

3人でウンウン悩んでいると、パンッと手を叩く音が部屋に響き意識がそちらに集中した。

「さぁさぁ、悩むのは後です。更紗ちゃんは出陣の準備を、煉獄さんのお父上は警護に、千寿郎君はこの家を守ってくださいね。すぐにお返事が来るので時間に余裕はありませんよ」

すでに許可の返事が来ることを想定した指示に全員が呆気に取られるも、この場で1番指示に従うべき人物に言われては即座に行動するしかない。

自分の成すべきことをする為に、各々が部屋を後にした。
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