第6章 柱合会議とお食事会
「傷治してもらっておいて、反対もクソもねぇだろォ。兄貴分的な存在の俺も認める。悲鳴嶼さんと時透はどうなんだ?」
「私には悲しい過去を持つ少女を、むざむざ死地へ放り出すなど出来ぬ。煉獄の元で鍛錬に励むといい」
「僕はどうせすぐ忘れるけど、いいと思う」
杏寿郎と更紗の表情はどんどん明るくなり、杏寿郎に至っては甘味の乗った皿を更紗の前へ置いて勧める始末だ。
「皆さんお忘れかもしれませんが、冨岡さんはまだお答えを仰っていません。鮭大根が忘れられなくて言葉を忘れましたか?」
相変わらずしのぶは義勇に容赦ない。
それに義勇はピクっと体を跳ねさせ、衝撃を隠せずにいる。
「俺は言葉を忘れてない……鬼殺隊に居ることに異論ない」
最後は少し悲しい承諾だったが、無事柱全員の許可を貰えた。
「よかったではないか!皆が認めてくれたぞ!明日からは俺が音を上げるような鍛錬を期待しているぞ!」
「はい!で、ですが近い将来のお話なので……明日に杏寿郎さんが音を上げる鍛錬が出来るとは……」
「うむ!期待している!」
「かしこまりました!」
言葉の綾が期間を繰り上げてのしかかるも、それを覆せるほどの言葉を更紗は持ち合わせていなかった。