第6章 柱合会議とお食事会
手の傷を完治させ体力も戻って元気になった更紗は、お約束通り杏寿郎から懇々とお説教を受けた。
ついでに話の流れで被害者を治癒したとバレた時は、泣きそうな顔で諭されたものだからお説教より更紗の心を抉ったらしい。
ようやく日常が戻り、任務の通達があるまで杏寿郎に鍛錬を付けてもらっているが、鍛錬が終わり共に玄関へ向かっていたある時、杏寿郎は神妙な面持ちで言葉を発した。
「更紗、明日は柱合会議がある。今日の夕餉の後に出発し、お館様の屋敷の近くで宿を取ってそれに備えるのだが……」
歯切れの悪い杏寿郎に更紗は首を傾げる。
(柱合会議は確か杏寿郎さんを始め柱の皆さんが集まられる会議でしたよね?何か言いにくい事があるのでしょうか?)
静かに杏寿郎の言葉を待つ更紗を見て、フッと肩の力を抜き続きを話す。
「君を一緒に連れてくるようにと連絡が入った。だから今日は夕餉の準備を手伝わずに準備をしなさい。千寿郎には俺から話しておく」
いきなりの驚くべき杏寿郎の言葉に、更紗は文字通り時間を止まらせてしまったように立ち止まる。
「私が柱合会議に……私、何か皆さんを困らせるような事を起こしたのでしょうか?!」