第24章 凄惨と合流
だからと言って今にも崩れ落ちてしまいそうな珠世を放って置くことも出来ず、正に八方塞がり状態だ。
「来て下さって……ありがとう。私のことは……もういいのです。愈史郎も……分かってくれます」
「諦めないで下さい!少しだけ待ってて、先に剣士たちを回復させてから考えます!」
目の前で多くの人を亡くしたのだ、これ以上誰かが悲しむ姿を見てなるものかと更紗は珠世を床に静かに寝かせ、上から羽織を被せた。
「稀血の匂いは堪えるかもしれませんが、少し我慢していて下さい」
気休め程度だが珠世が稀血の匂いに当てられないよう配慮し、鬼舞辻と闘う柱たちを含め剣士たちを視界に入れて自分の腕を切り裂き力を解放させた。
見たところ四肢が欠損しているのは4、5人程度。
必要な造血薬の本数は更紗の体が受け入れられるであろう10本以内でぎりぎり抑えられる人数である。
造血薬を次々と首へと刺し次々と血液を作っては排出を繰り返す。
剣士たちは治療薬を配られた時に更紗が治癒の力を持っていると聞いていたので、自分たちを瀕死たらしめた傷が癒されたことに驚いたものの受け入れる事が出来た。
だが欠損した部位まで再生させる力があるなど知らなかったので、声も出せず各々の手足が生えてくる様を目を剥いて凝視している。