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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第23章 上弦と力


2人が杏寿郎の精神的な苦労を思いため息を零している間も、続々と新たな情報が鴉たちからもたらされてくる。

『嘴平隊士が炎柱と合流……鎹鴉を脅して到着したと……この際それは咎めない。他の柱の状況は?』

それから暫く漏れ聞こえる情報を耳にしていたが、未だに鬼舞辻無惨を見つけた隊士はいないようである。
更紗や杏寿郎の新しい情報も入ってくることはなく、まだ上弦の弐を倒すには至っていないと分かる。

「もどかしいな……だがこうも早く情報をここまで届けられるとは。確かお館様の額に付けている紙と、鎹鴉の首にかけられている紙が情報を即座に伝達しているとかだったな?血鬼術と聞くが……」

「らしいな。胡蝶と研究をしていた男の鬼の血鬼術だと聞いている。まぁなんだ……鬼とは言え、そいつの力に随分助けられてんのは違いねぇ」

愈史郎の血鬼術で鬼の本拠地と本部、煉獄家などに情報が逐一共有出来ている。
もうそろそろ本拠地内での隊士同士の情報を共有する手筈も整いつつある状況だ。

「あぁ、千寿郎や更紗のご両親も今頃屋敷で聞いているはず。知る方がいいのか知らない方がいいのか……微妙なところだがな」

2人の脳裏に浮かんだのは更紗の母親である紗那の顔。
万が一更紗に危機が訪れた場合、それこそ鴉を脅して鬼の根城へ乗り込みそうだからである。
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