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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第22章 開戦と分断


あと少しで本部へ……お館様のいる産屋敷邸へと到着する所まで更紗は足を進めていた。
ここまで特に異変もなく、日もまだ完全に落ちきってはいない。

しかし更紗には1つ気がかりなことがあった。

「神久夜さん……まだ合流出来ていません。道中何かあったのでしょうか?」

1度立ち止まって後ろを振り返り空や進んで来た道を確認するが、やはり神久夜の姿はなく……一抹の不安が更紗の胸に過ぎる。
それでも先へ進まなくては日が落ちるまでにお館様の元へとたどり着けなくなってしまうので、祈るように手を握りしめて神久夜の無事を願い前を向くと……目の前が何かで遮られており先の道が見えなくなっていた。

「え?な……に?」

状況が状況なので、否が応でも心臓が嫌な音を鳴らす。
しかし確認しなければ対処の仕様がないので、その何かを確認するために視線を恐る恐る上へと巡らせた。

「捜し鴉はこの子で間違いないか?」

その視線が目の前の何かを確認しきる前に、更紗の耳には聞き覚えのある……ここにいるはずのない人物の声が響いてきた。

「杏寿郎……君。どうして……ここに?」

慌てて一気に視線を上に向けると、穏やかな声とは裏腹に真剣な眼差しを自分へと向ける杏寿郎がそこにいた。
そしてその肩の上には探していた神久夜が戸惑ったように首を傾げて羽を休めている。
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