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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第21章 秘密と葛藤


思わぬところで自身の問題は解決したが、突然言葉を止めてふわりと微笑む更紗にカナヲは首を傾げた。
そしてその理由を問おうと口を開きかけたが、更紗は微笑んだまま言葉を続けた。

「何がなんでも、死ぬ気で傍を離れません。迷惑がられようがなんだろうが四六時中着いて回ります!それでも、もし離れていたとしても……命が尽きる前に探し出します」

何か更紗も抱えているような言葉と表情に、カナヲは目を見開きジッと見つめ返す。
それに気付いているのかいないのか……ただ微笑む更紗からは読み取れないが。

「鬼殺隊の皆さん全員にいなくなってほしくないので、優劣はつけられませんが……杏寿郎君が命を投げ出す覚悟を決めているならば、残された時間を鍛錬に……いえ、鬼が動かないお昼の間は鍛錬、夜は四六時中着いて回ります」

真剣な表情なので本気に違いない。
24時間永遠と付き纏われるよりマシかもしれないが、夜から永遠と付き纏われては杏寿郎も気が休まらないだろう……途中で音を上げそうだ。

「着いて回る……そっか!そういう手もあるんだね!うん、私もやってみようかな。あの……今の話は誰にも秘密でお願いしてもいい?」

とんでもない案が採用されてしまった。
きっとカナヲが大切に想っている人物は、この案を出したのは更紗だと気付くはずである。
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