第21章 秘密と葛藤
本当に喜んでくれているようで、炭治郎は満面の笑みで更紗の手を握りブンブンと上下に振っている。
一方更紗は嬉しいやら恥ずかしいやらで、頬を赤く染めて首を少し横に傾けた。
「ありがとうございます。私自身、あまり実感が湧いてないのですが、早く柱だとしっかり自覚して行動しなくてはいけませんね。柱になりましたが私は変わらずここで過ごしますので、これからもよろしくお願いします」
「わぁ!それなら良かった!俺、まだ柱稽古全部終わってなくて……帰って来て更紗が引っ越してたら嫌だなって思ったから、ここに居るって知れてよかったよ!」
継子と元継子の感動の再会を杏寿郎が満足気に眺めていると、我に返った剣士たちがワラワラと3人の周りに集まってきた。
その中でも勢いが良かったのはやはり圭太だった。
「月神お前すごいな!今朝煉獄さんと一緒に出てったから、何かあんのかなぁ?とは思ってたけど、まさか柱になって帰ってくるなんてな!で、何の柱になったんだ?」
立場的に更紗が上官になったのだが、何分更紗には同期や仲良くしている剣士が多くいる。
普通なら窘められるこんな状況も、本人が気にしていないので杏寿郎は笑顔でこの場のやり取りを眺めていた。