第21章 秘密と葛藤
「私も!私も気になっていました!出来るなら皆さんの負担を減らしたいのですが……駄目ですよね?」
本人がいくら希望しても希望が通らないことなど世の常だ。
そして例に漏れず、夜に出歩くことを禁じられている更紗の希望が通ることはなかった。
「君には悪いが警邏は今まで通り8人で執り行う。更紗の居場所を特定されることは避けなくてはならないからな」
想像していた通りの返答に落胆の色を見せるが、ここで駄々をこねても結果は変わらないし、皆を困らせるだけだと分かっているので、更紗は眉を下げて小さく頷くだけにとどめた。
「柱になったのにお力になれず心苦しいですが、警邏の件はよろしくお願いいたします。でもその代わりに何か私に出来ることはありませんか?雑務でも何でもします!」
柱の皆と同じ隊服を身に纏い、日輪刀には文字も刻んでもらった。
それなのに柱としての業務が出来ないことは、更紗にとって罪悪感が沸くものだ。
必死な表情の更紗とは裏腹に、3人は揃って首を傾げ
何言ってるんだ?
という顔をしている。
「お前なァ……警邏も柱の仕事だが、お前にはお前にしか出来ねぇことあんだろ」