第20章 柱稽古とお館様
「はい。皆さんの足手まといにだけはなりたくありませんので、自分の体くらい自分でどうにかしてみせます」
しかも更紗は自分の体を再生することは出来ない。
初めの段階で手足……特に足を失ってしまえば戦力にもならず剣士たちを治癒して回ることも出来なくなり、完全に足手まといだ。
「今からそんなに気負っちゃ疲れちゃうよ!皆、手足を失えば戦力にならないのは一緒だから、あんまり深く考えすぎないで出来ること頑張ろ!」
更紗にとっての癒しの1人である蜜璃の笑顔が眩しく、目を細めながら笑顔で頷き返した。
「はい!これからはしのぶさんと一緒に研究に精を出します!戦いの時までに鬼殺隊の方々全員へ治療薬を配りたいと考えているので!」
とんでもない更紗の発言に、杏寿郎としのぶ以外が目を見張った。
「いやいや、姫さん。鬼殺隊の隊士何人いるか知ってんの?全員って……」
「正確な人数は把握しておりませんが、数百人ですよね?小瓶に私の力を入れるだけなら1日で終わります。……ダメですか?」
視線を向けたのは杏寿郎としのぶだ。
もう杏寿郎の継子ではないので許可を得る必要はないのだが、今まで守り育ててくれたのは紛れもなく杏寿郎なので、その人の意見を無視するなんて更紗には出来ない。