第20章 柱稽古とお館様
作戦会議と言えど、どのような形で鬼舞辻無惨たちが攻めてくるのか分からないのが現状なので、大まかな役割を決めるだけである。
「まず宇髄、てめぇはもう柱じゃねぇ。戦には加わらず、お館様の護衛につけ。だがあと一人は護衛が必要だなァ……誰か適任者に心当たりある奴いるか?」
政府非公認の組織なのでそもそも頼れる人の数が限られている。
しかも鬼殺隊の現隊士は全員が貴重な戦力だ、特に柱は攻撃の要なので護衛に割くことは出来ない。
となると必然的に引退した隊士か柱となるのだが……と全員が悩んだのは一瞬だった。
視線を向けた先は杏寿郎。
そしてその杏寿郎も笑みを浮かべて頷いている。
「俺の父上だな!この前お会いした時の様子だと、今も鍛錬をかかしていないように見えた!きっとお力になってくださるはずだ、俺から話しておこう!」
「煉獄の親父さんなら何度か一緒に任務行ったことあるからやりやすい!頼んだぜ、煉獄」
心身共に健康になった槇寿郎なら何の憂いもなく任せることが出来る。
そうした空気が流れ、更紗はいつもムニムニと口元を動かし笑みを隠そうとする槇寿郎の顔を思い浮かべた。
「私、お義父さまと打ち合いをしたことも闘われている姿も見たことがないのですが、やはり凄く強かったのですか?」