第20章 柱稽古とお館様
誰しもが言葉を失っているので更紗の不安が胸をくすぶり、眉を下げながら全員を見回すが……目が合った天元が頬を紅潮させて身を乗り出してきた。
「染まったなら問題ねぇだろ!にしても派手でいいじゃねぇか!こんなんありかよ?!姫さんの技も派手だが、まさか日輪刀も派手になるとはな!」
「私も驚きました。まさか2色に染まるだなんて……」
戸惑う更紗をよそに、やはり派手好きの天元から見ても派手で……すごく羨ましいらしい、目が爛々と輝いている。
「フフッ、染まったのなら問題はない。では更紗は紫炎柱……となるんだね。これからよろしく頼んだよ、更紗」
お館様から無事に柱でいることを許可された更紗はホッと息をつき、赫と薄紫に染まった日輪刀を鞘へと戻して右側に置いた。
「はい。お館様、あまね様。柱の皆様、天元君。改めましてよろしくお願い致します」
くるりと全員を見回してから頭を下げると、なんとも温かな空気を全員が醸し出してくれた。
こうして無事に更紗は紫炎柱を拝命した。
後は柱稽古の進捗状況の報告と……これから巻き起こる闘いについての会議が行われることとなる。