第19章 音柱と美しき鬼
あの後、母屋へ戻って両親へ炭治郎たちを紹介したり全員で食事を取ったり和やかな一日を過した。
その日は全員が母屋に泊まり、更紗は最終決戦終了まで会うことの出来ない両親と僅かであるが、家族水入らずの時間を堪能した。
「もうあれから1週間経つのですね。明日からはついに柱稽古ですが、確か初めの天元君の稽古以外、柱の方々のお屋敷を回る順番は決まっていませんよね?杏寿郎君の稽古、私は何番目に致しましょうか?」
杏寿郎との試合の翌日、両親や天元、槇寿郎、千寿郎はそれぞれの家へと帰って行った。
それを待っていたかのように、その日のうちに本部から神楽夜を通して柱稽古の日程や詳細が伝えられ、杏寿郎の稽古は炎の呼吸の遣い手らしい筋力強化ということを知った。
そして更紗の杏寿郎に向けられた言葉通り、天元の基礎鍛錬のみ初めに通過する必要があるが、それからは特に順番は決まっていない。
「君は柱稽古後に胡蝶との研究があるので、準備を整えるためここへは最後に来るといい!どの柱の稽古も一筋縄ではいかんだろうが、ここに戻る目安は1ヶ月前後と考えておくように!君には出会ってから今まで出来る限りの事を叩き込んだので、1ヶ月で事足りるはずだ!」