第18章 閑話休題
許可を貰えホッとするが、両親の気持ちを考えると喜ぶことが出来なかった。
あるのはただただ感謝のみで、更紗は杏寿郎と共に深く頭を下げた。
「親不孝者でごめんなさい。必ず倒してお父さんとお母さんたちが鬼に怯えることなく過ごせる世界にしてみせます。杏寿郎君や皆と帰ってくるから……待っていてください」
「鬼殺隊剣士を纏めるものとして、心から感謝しております。何があろうとも更紗は俺が責任を持って必ず連れて帰ります」
そんな2人の隣りに天元や槇寿郎と千寿郎も並び、同じように頭を下げる。
鬼殺隊の元柱として、柱を息子に持つ父親として、弟として両親の決断に感謝の意を示しているのだろう。
合計5人から頭を下げられるという滅多にない状況に涼平と紗那は驚き、慌てて全員の頭を上げさせた。
「更紗は妻に似て思いもしないようなことをしでかし、皆さんを困らせることもあると思いますが……僕たちにとって何者にも変え難い宝物です。どうぞよろしくお願いします」
心配をさせることが得意な更紗は、どうにか両親の許可を得て鬼殺隊に存続することが可能となった。
あとは決戦に備えて出来る限りの準備を整えるだけである。