第18章 閑話休題
動揺している涼平には悪いと思ったが、更紗も連れ帰られるわけにはいかないので先を続ける。
「どこでいつ挑んで来るかは分からない。でも挑んで来るのは間違いないの……そしてその時が来たら、私は鬼殺隊の剣士として闘いに加わりたいと思っています。どうか私をその場に行かせてください」
自ら戦場に行くことを望む娘の腕を、今度は涼平が掴んで立たせようとした。
「許せるわけないだろ?!そんなの……今まで以上に命の保証がないじゃないか!大切な一人娘をそんな所に……」
「お父さん、少し落ち着いて座っててくれる?まだ更紗ちゃんにも皆さんにも聞きたいことがあるので」
ピシャリと行動を抑止され涼平は更紗の腕を掴んだまま固まったが、いつになく真剣な紗那の表情に息を呑み、大人しく更紗を解放した。
「ふぅ……それで、あなたはそこに行ったとして何が出来るの?確か鬼殺隊に入ってまだ1年ちょっとよね?私にはそんなあなたが戦場に赴いたとして、剣士として役に立てるとは思わない。杏寿郎君、宇髄さん……槇寿郎さん、千寿郎さんはそう思いませんか?」
それが普通の反応だろう。
刀を握ってたった1年の女子が戦場に赴いたとしても、何も出来ずただ命を奪われるだけだと思われても仕方がない。