第67章 兄たちと妹
兄の話を実弥にすると、後味の悪そうな顔をしていた。
「本当に今更って感じだな。」
「まあ…」
「何がしたかったんだか……」
そういう実弥に少しもやっとした。
「良い人たちだよ」
「……お前、よく信じられるな…」
「じゃあ実弥も会ってみる?」
「はあ?」
私はにこりと笑った。
同じ境遇で育ったんだ。あの人たちの心中もよくわかる。今更って思ってしまうけど、行動を起こすのに今の今まで時間がかかってしまったんだと。
ただ親との関係を放置していた私にはそれができなかった。本当にすごい。尊敬する。
だからこそ仲良くできたらいいなって思うんだ。
「二人とも良い人だよ。」
「………ちょっと待て。」
実弥は私にずいっと詰め寄った。ちょっと怖い顔をしていたので私も背筋が伸びる。
「何?」
「あのな、パッと出てきたお前の兄貴を俺がどうやって信じると思うんだ。」
「だから会ってもらおうとしてるんじゃん。」
「兄貴のことばっか考えてるんだな」
何だか機嫌が悪い。どうしたのかな…?
「実弥のこともちゃんと考えてるよ。ねぇ、怒らないでよ。」
「…もういい。」
実弥は伸ばした私の手をはらい、プイッと顔を逸らしてそのまま二人の共同部屋に閉じこもってしまった。
……………ぶちっ
はあああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?!?
何あいつ何あいつ久しぶりにプッチンきたわめっちゃ腹たつ。なんで怒ってんの?意味わかんないなんで怒ってるの??何がもういいの???
……っていうか、実弥が引きこもるの珍しくない?
まあ喧嘩したら実弥はプイってなるけどさ。だいたい私が家出とかしちゃうのに。
「………」
これは……
もしかして、相当怒っているのでは?????????