第34章 緊急事態、柱合会議
それから数日、柱合会議の日まで桜はほぼ毎日 朝、午前、午後、夕食後に鍛錬を行い、呼吸の成果は分からないものの基礎体力を確実に付けていった。
―――そして、とうとうお館様が指定した日の二日前になった。
「あれ…ケンタ、初仕事じゃない?」
夕食後の鍛錬を終え、槇寿郎の部屋に千寿郎と乗り込んでのんびりしていた桜の元へ 鎹烏のケンタッキーが飛んできた。
槇「健太…?鎹烏に何故人の男の様な名を付けてるんだ?」
槇寿郎にそう不可解な顔をされると桜は思わず笑みを溢しながら文を取る。
「後でお教えしますね。ケンタ、これ食べる?」
そう労うように言いながら桜が人にとってはゴミであるみかんの皮をやるとケンタは喜び、満足そうに咥えてどこかへ羽ばたいていった。
千寿郎はその扱いを見て桜がユキを化物呼ばわりしたケンタの事をまだ許していないのだと感じ、喉をこくりと鳴らすと人知れず姿勢を正した。