第33章 準備期間
――――――
「眠い………。」
桜は一晩杏寿郎に付き合った上ほぼ徹夜状態であった為 杏寿郎の帰りを待ちたいと思いつつも布団の上で正座をしたままうつらうつらとしていた。
(だめ……杏寿郎さんだって…同じ…それどころか今も見廻りに…旦那さんになる人の帰りを寝て待つなんて……そんなこと…………、)
眠りそうになりハッとすると桜はぶんぶんと首を振ってからユキに体を借りて外へ走りに行った。
(うん、体が違うから眠くない!昨日は呼吸の鍛錬しか出来てなかったし…頑張ろう…!!)
――――――
杏「静かだな。」
杏寿郎は異常がないかを念入りに確認すると帰路についた。
家が見えたところで走る白い体を見つけて大きな目を更に大きくする。
杏「桜!!!」
夜間にも関わらず杏寿郎は思わず大きな声を出してしまった。
その声にビクッと体を震わせると桜は杏寿郎の元へ走り寄る。