第25章 嫉妬の対策と変わる関係
槇「今日はもうお開きだ。」
風呂の支度をしに行っていた千寿郎が帰って来たのをきっかけに槇寿郎は立ち上がった。
杏「はい!!ありがとうございました!!」
「とても良い時間を過ごせました。」
杏寿郎と桜はさっさと去ろうと襖に向かう槇寿郎の背中を微笑みながら見つめる。
杏「では桜!後半は食べていただけだっただろう!酒は抜けているな!早速鍛錬をするぞ!!」
「はい!!!」
その言葉に槇寿郎がげんなりとした顔をして振り返った。
槇「今日くらいゆっくりしろ!!」
そう強く言われて二人は眉尻を下げる。
「で、ですが…、一日怠れば…、」
槇「休め。」
そう低い声で短く言うと、槇寿郎は二人を睨んでから居間を出ていってしまった。
それを見送って睨まれた二人は困ったように眉尻を下げたまま顔を見合わせる。
杏「今日は諦めよう。同じ家にいる以上、隠れてする事は難しい。」
「そうですね…。」
午後の鍛錬は自身のせいでなくなった為、桜は酷く落ち込んだ。
それを察すると杏寿郎は優しく抱き寄せて頭を撫でる。