第55章 遊郭に巣食う鬼

(…！あれは、雛鶴さん…！！)




屋根の上に立っていた彼女はクナイがたくさん付いた武器の弦を引っ張り、妓夫太郎に向けて放った。


それのうちの一本が妓夫太郎の首に刺さる。




(やった！！多分普通のクナイじゃない…！！)




そう目を大きくして見ている桜の横にユキが走り寄って来た。




ユ『桜、無事だね。杏寿郎も来てくれた。倒すまで気は抜けないが随分と心強い。』


「うん！！杏寿郎さんは時間を持て余して継子の指導をしているよ。」



ユ『な…………。』




これには流石にユキも言葉が出ないようだった。


そして戦いには参加できない二人の前でクナイの毒が妓夫太郎に効き 勝利への道が見えたかの様に感じた時、あと少しのところで毒を分解し 妓夫太郎は雛鶴の元へ向かってしまった。




ユ『いけない！！あの子は強くない！！！』

「……雛鶴さんッ！！！」




二人が思わず屋根に向かって跳躍しようとした時、炭治郎が間一髪のところで助けに入った。