第55章 遊郭に巣食う鬼
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杏(…………っ!!……胸の温度が急に熱く…まるで怒りが伝わるようだ。桜は無事なのか?)
杏寿郎は冷や汗を流すと石に意識を集中させてユキに問う。
すると温度は肯定を示すように温度が下がっていく。
その反応に少し力を抜いた後、杏寿郎は再び口をきゅっと結び 足に更に力を込めて加速した。
杏(待っていてくれ!!)
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一方、加勢に入った三人組は善逸が堕姫を屋根まで吹き飛ばしたことにより善逸、伊之助、堕姫と、天元、炭治郎、男の鬼 妓夫太郎の二手に別れた。
(バランサーが言っていたのはこれだ…!)
「ユキ!私は屋根の上の子達を守る!宇髄さんと炭治郎くんを頼んだよ!!」
ユ『…ああ。よくよく気を付けるんだよ。必ずあの子達の後ろに居ると約束してくれ。』
「………うん。後方支援に徹する。じゃあね!」
―――ガガガガッ
ユキと別れてすぐ大きな音が響いた。
見ると建物を無数の帯が貫いている。