第55章 遊郭に巣食う鬼

(わ、別人みたい……。)


天「ふーん。こりゃいきなり身請けされるかもしれないな。」




後ろから鏡を覗き込んだ天元に不穏な事を言われ 桜は化粧道具を取り落とす。




「み、身請けって何……、」

天「オラ、行くぞ！ブス共！！」




そう声を掛けられた継子三人組は酷い化粧をされていた。




(ケンタ…杏寿郎くんにちゃんと伝えてくれたかな…。今は柱の宇髄さんの近くが一番安全だ。杏寿郎くんが来るまでは藤の花の家で一緒にいた方が……、)

「……ってもう藤の花の家を出るんですか！？ま、まだ夜です…私行けません！！」




桜は譲歩はここまでだと思った。




天「夜のうちは俺の側にいればいいだろ。早く行くぞ、時間が惜しい。」

「…だめです。十二鬼月が相手かもしれない以上、柱の方が側にいても私は行けない。行かない。」




それを聞くと天元は興味を引かれたように笑みを浮かべた。