第5章 呼んで、動いて、見せてよ
「おはよう、セイラ」
「はい・・・?」
ニコリと笑う笑顔がある。
その後からひょこりとハンジさんが顔を覗かせた。
「本当は起こそうとしたんだよ!?それなのに、秘密にしろってうるさいから」
「おいクソメガネ・・・言わねぇ約束だっただろうが・・・」
眉間に皺を寄せるリヴァイさんに、私は幾度も瞬きを繰り返す。
リヴァイさんはたっぷり睡眠が足りたらしくつやつやとした表情を見せている。
そして私に手を伸ばしそっとキスをした。
「おい、セイラ。食事にするぞ」
誘われるまま一歩踏みでた私を迎えたには、不器用な手が作った不器用な食事だった。
ハチミツのナッツ漬けやパンまである。
ああそういえば、一緒に漬けたな。
そう思いながらリヴァイさんに引かれる椅子に腰かけ、そしてキスをした。
「・・・見せつけてくれるじゃないか」
「・・・・・・うるさいです」
「私もお相伴にあずかりますよー」
「遠慮しなくていいぞ」
「それって遠慮しろって言ってるようなもんじゃないか」
まるで昔に戻ったようだ。
光が溢れ、そして互いに互いを認め合い、見つめながら交わす言葉。
ふと幸せな瞬間を思い、そしてほっと安堵する自分がいる。
ああ、リヴァイさんが目覚めている。
そして私は・・・私は・・・・・・。