第5章 呼んで、動いて、見せてよ
急ぎ立てられるようにベッドへ向かわされた私は、リヴァイさんが眠り続ける横へもぞりと入り込んだ。
まるで母親のように掛布団を掛けてくれるハンジさんはにっこりと笑い、そしてカーテンを引く。
部屋の中は薄暗く、銀色の世界から一瞬にして遮断された。
「私はここに居るよ」
いつも私が座っている椅子だ。
ああ、どうしよう・・・何故か眠い気がする。
「・・・大丈夫だよ、セイラ・・・何も心配しないでいい。大丈夫だから」
まったく眠くなかった私は一瞬にして眠りの緑へ落ちた。
いとおしい存在の胸元へ頬を寄せ、一つ深く息を吸い、やがてゆっくりと吐き出したのだ。