第5章 呼んで、動いて、見せてよ
「・・・寝すぎですよ、リヴァイさん」
昏々と眠るリヴァイさんの顔をじっと覗き込む。
気づけば秋は駆け足で過ぎ、銀と白の世界が外に広がるようになっていた。
暖炉の火を灯しながらリヴァイさんの肌に肌をぶつけるようにして眠る日。
リヴァイさんの眠りは、二桁をいつでも超える時間を占めるようになってきた。
ふわりと意識が飛ぶと、もう着地点は見えなくなってしまう。
しっかりと抱き締めてその心音と呼気を感じてほっとする。
まだ、私の傍に居てくれるのだと何度も確認し、その頬を撫でた。
「・・・あなたの瞳が見たいよ」
黒く澄んだ瞳が。
深い深い夜空の瞳が・・・。
その瞳の中枢に私だけが存在し、私だけを見つめてくれているあの瞬間がとても好きだ。
ベッドに腰を掛けたまま、じっとリヴァイさんの顔を見下ろす私は、ギシリと小さく悲鳴を上げたベッドにいらついた。
シーツを換えないとー。
太陽の匂いに包み込んであげたかった。
気持ちよさそうに眠りながらも表情を変えてくれるはずだからだ。
「・・・リヴァイさん・・・・・・雪が、昨日振りましたよ・・・」
まだ今年の雪は見ていないでしょう。