第4章 ポッキーゲーム
~ジャミルver~
今私はスカラビアのジャミルの部屋にお邪魔している。一人でここまで来るのは久しぶりで、緊張してしまって思わず正座をする。
「……で、オレの部屋にまで来て何の用だ。」
「………ポッキーゲームをしましょう。」
「ポッキーゲーム???」
そんなあからさまに嫌そうに顔を歪ませなくてもいいじゃないですか。ほら、ジャミル先輩にアタックだよ、とオンボロ寮から追い出してくれたなつきにこの顔を見せてやりたい。
「しょ、しょうがないじゃないですか!さっきゲームに負けて…誰か1人とポッキーゲームしてこいって言われたんですもん!」
「お前の相棒とやればいいだろ。」
「その相棒に負けたんです!!」
「エース達はどうしたんだ。」
「あいつらとやったらなつきが死にますよ。」
「あぁ……」
エースやデュースにポッキーゲームを頼もうものなら、もれなくなつきが嫉妬で死んでしまう。というか、そこまで拒否しなくてもいいじゃないか。わざわざスカラビアまでやってきたという時点で察してくれよ。あなたとやりたいから来てるんです。
「はぁ…どうせ断っても他に相手がいないんだろ。……ほら、やってやるんだからお前がくわえに来い。」
「えぇっ!?うぅ……はい、」
箱からポッキーをくわえ、ほら、と言ってくるジャミルに少したじろぐ。しかしやろうといった手前やめるわけにもいかず…えい、と端をくわえる。ポキポキ、と控えめに進めていけば、一気にスピードをあげられる。
「!!!?ちょ…」
キスされる、と思い目をつむる。しかし少し待っても何も起きない。何が起きた?と思い目を開けると…唇が当たりそうなほど迫った綺麗に整った顔があった。恥ずかしくなって目線をそらせば、唇に温かいのものが当たりバッ、とジャミルを見る。
「な……な…、今…」
いい音を鳴らしてポッキーを折り、口元に親指を持っていってペロ、とふく。こいつ…こいつ…涼しい顔して私の唇舐めやがった!!抗議をしようと口を開くが、ジャミルは指で軽く私の唇に指をあてる。
「これで満足したか?」
もうお腹いっぱいです。