第4章 ポッキーゲーム
~エースver~
「エース!!」
「うっおぁ!びっくりしたぁ!…なんだよ、なつき。」
バン、とドアを開ける。エースの部屋は四人部屋であるが、今日はベットでダラダラとスマホを弄ってるエースしかいないようだ。
「今お1人?デュースは?」
「おー1人1人。デュースはジャックと自主練しに行った。」
「おけ、今がチャンスだね。」
ズズイ、とエースのベットに乗りあがり正座をする。エースはスマホを置き、しっかりと私に向き合ってくれている。
「今日はエースに用事があってきました。」
「はぁ?オレ?」
「私の我儘聞いてくれる?」
「いや…今更だろ。」
「ポッキーゲームしよ!!」
手に持っていたポッキーの箱を見せて笑えば、エースはとても驚いたように顔を歪めて叫んだ。そして叫んだあと、観念したようにポリポリと頭をかく。
「オレで、いいのかよ。」
「ん~、何?他の人にもお願いしたよ!」
「ちげーって、そういうことじゃ……はぁ~…もういいや、ほらやろうぜ。」
なんだ?変なエース。とりあえず門前払いじゃなくてよかった。まぁエースのことだから、こういうことは私のお願いだったら聞いてくれることは分かってたんだけどね。いそいそと袋を開けてポッキーをくわえると、エースもすぐに反対側をくわえた。
「………エース…?」
「…んー?」
おかしいな、近づくにつれてジワジワと顔が熱くなっていることが分かる。対してエースはいつものようにすました顔をしており、少し悔しさを覚える。何としてもポッキーを離してやるもんか、と意気込む。
「んむむ…」
「………ふ、」
それでもやっぱり恥ずかしさはなくならないもんで、近づいてくるエースの胸を軽く手で押す。そんな私の様子を見て、エースが余裕そうに笑った。そして鼻がぶつかり、エースを見た瞬間…
「ちゅ……」
「っ……!!?っ!?!?」
「んっ、ごちそーさまっ」