第2章 BL疑惑
~エースver~
放課後、エースは部活が終わっても自主練を続けていた。私はバスケ部のマネージャーなので一緒に残っている…というのは建前で、エースの自主練を眺めているのが好きなので残った。
「お前、帰ってもいいんだぜー?」
「うーうん、作業してるから大丈夫だよ。」
何分かに1回は私を気にして振り返ってくるのがとても嬉しい。そういうところだよトラッポラ…私はというと、シューティング練習しているエースをガン見しながらボールを1個1個丁寧に拭いていく。そうして数分後、満足したエースが近寄ってきた。
「終わった?」
「おう、サンキュ。」
「お疲れ様。鍵、頂戴。」
「え?いいよ、オレが最後まで使ってたし。」
「遠慮しないで、これもマネージャーとしての私の仕事!」
「わぁったよ…じゃあはい、頼んだ。オレあっちの水飲み場にいるわ。」
エースから鍵を受け取り、体育館のカギをかける。本館へ戻り、鍵を戻しに行く。放課後部活終わりという時間なので、いつも誰かしら通っている廊下はガランとしていた。急いで戻ってくると、エースは汗を服で拭いながらグランドを眺めていた。そうしているだけで絵になるんだからイケメンはいいですね。
「エース!」
「…んぁ?あぁ、早かったな~おかえり。」
「何見てたの?」
「いや…別に。」
プイ、とそっぽを向くエースを見て興味がわいた。エースと同じ目線に合わせてくっついてグラウンドを見る。すると、1人で黙々と走っているデュースを見つけた。こいつもまた夕陽効果もあってかかなり絵になる。
「デュースも自主練かな?」
「…そーじゃねぇの?」
「…何?デュース見つめちゃってさ。」
「別に深い意味はねぇよ?あ、いるなーくらいで。」
いるな、くらいでそんなじっと見るわけない。エースのことだから何か気になることがあってみていたのだろう。ちょっとけしかけてみようか。