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ダイヤのA短編集

第1章 御幸一也


「さようならー」
帰りの挨拶が終わり、部活に行こうとしたら彼氏が話しかけてきた。
「一緒に行こうぜー。」
一也がそんなこと言うなんて珍しい…いつもは倉持くんと行ってるのに。
そう思いながらも誘いへの返事をする。
「うん、行こっか。」
「ん…」
一也はそう言うと手を差し出してきた。
手を繋いでいいのか迷ってたら一也から握ってきた。
「ちょ……皆に見えちゃう………。」
「俺はいいけど?亜衣が俺の彼女だってすぐにわかるし。」
「でも……」
「良いから行くぞ。部活に遅れる。」
一也はそう言うと歩き出した。
すっかり部活のことを忘れてた私は一也の言葉に我に帰って手を繋ぎながら行くしかなかった。
いつもの着替え場所まで送ってもらったあと、名残り惜しいと思いながらも手を離す。
手を離した直後唇に触れるだけのキスが降ってきた。
「な//…………なんでいきなり……」
「俺と離れたくないって顔をしてたし。」
そう言うと一也はいつもの意地が悪い笑顔を残して青心寮に着替えにいった。
私は一也が見えなくなったあと、その場に座り込んでしまった。
(本当にズルイ……私ばっかドキドキさせられてる……)
少したったころ、切り替えて着替えようと部屋の中に入った。
着替えてるときに幸子と唯が入ってきた。
「おつかれー。」
「お疲れ様ー」
私はある計画を思いついたので、内容を二人に相談することにした。
「二人とも。一個聞いていい?」
「うん、なに?」
二人同時に同じ反応を返してくる。
「彼氏のことなんだけど……私ばっかりドキドキさせられてる気がして……私も彼が照れるとこが見たいんだけど、どうしたら良いかわかんなくて……」
「御幸の照れるとこかー……」
ちなみに、二人は私と一也が付き合ってることを最初から知っている。
唯が何かを思いついたらしく口を開く。
「こういうのはどう?あのね…………で…………して……………するの」
「良いかも……やってみる。決行日は次のデートの時にしよう!」
「結果教えてね。」
「うん!」




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