第8章 仮面の下で嘲笑う
ヴェネットはいつも通り暗い暗い森の中で依頼を受けていた。
その日はあまりにも暗く、ランタンも点灯していた。
しかし、ヴェネットは気にもせず依頼の内容を聞いて、1人になった時だった。
『人間はこんなにも命を粗末に扱う程、復讐に飢えているのか?』
「あぁ、だから人間は面白いんだよねぇ…」
突然、後ろから声が聞こえた。しかも殆ど耳の近くだった。
ヴェネットは少しだけ驚き後ずさった。
『なっ…!誰だ!?』
そこに居たのは…人の姿をした化け物だった。
暗い暗い森の暗闇の中、化け物の目が怪しく光っていた。
『お前は誰なんだ?』
「あぁ、僕のこと?僕は〜彷徨いビトだよ」
『……名前は無いのか?』