第11章 希望の裏には……
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『なっ!オーバーブロット……』
もうそこに優しかったヴェネットの姿はなく、今は魔力を制御出来ずに暴れ回っている子どもみたいだった。
彼の後ろに大きな大きな魔女の姿が見える。
その魔女は……ヴィランズに入るところまでいったが、入れなかったゴーテルのようにも見えた。
あぁ、なんてことだろう…教師としても姉としても私は失格だ…
生徒として…弟として…彼をオーバーブロットさせてしまうなんて……
どうして私は彼の変化に気づけなかったの…?
どうして…私は彼をとめてあげれなかったの…?
そんなの私自身でもわかってる。
…怖かったんだ…自分の弟がよく分からない所に手を貸して悪に染まっていく姿を見るのが…そして…否定して嫌われたくなかった。
私の唯一の肉親なんだもの……
失いたくない!
もう、かつての両親みたいに…誰も失いたくないんだ……
やっと幸せを掴み始めたのに…なんとか止めないと!
本当に彼の人生が終わっちゃう…