第3章 〝誇張されていく噂話〟
inヴィルヘルム寮
『ねぇ、ヴェネット』
「なに?姉さん」
相変わらずヴェネットが尊い。
『最近、学園で貴方の〝ユニーク魔法〟の噂が広まってるんだけど…どういうことなの?』
そう…金色の花の噂はヴェネットのユニーク魔法___
イエローウィン
«偽り嘲笑う花»
金色の花を生み出し蜜を吸わせた相手に治癒力を与える。相手に与える治癒力によって相手の〝何か〟を奪うことが出来る。____
つまり、相手に与えた治癒力言わば、蜜の量によって相手の〝何か〟を奪える規模が増える。
あまり人に言うと不利になってしまうユニーク魔法なのでバレるのは良くない。
なのにどうして私の可愛い可愛いヴェネットのユニーク魔法が広まってるのかなぁ?
「姉さん、落ち着いて聞いて。」
「それはただの〝ウワサ〟であって、僕のユニーク魔法が流れたわけじゃない。」
『確かにそうだけど心配だよ…』
だってだってだって私の可愛い可愛い可愛い弟がどっかの(自主規制)に傷つけられたりでもしたら……ヴィリルちゃん泣いちゃう!!!
「どうどう……姉さん明日はチェリーのナポレオンパイでも作って一緒に食べよ!」
ああああああああぁぁぁ…なんて優しい弟なんだろう…もうお嫁に来ないかな…