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日輪を繋ぐもの【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】

第6章 任務完了!?






あぶない。…色々と。
落ち着け。俺は炎柱、煉獄杏寿郎だ。落ち着け。
柱どころか今や爪楊枝ほどの理性をなんとか呼び戻し、目の前の揺れる瞳を見つめ返した。

細い指が、震えていた。


「先には進まない。君がちゃんと望むまで。」


千聡が少しでも安心できるよう、怖がらせないよう。
絹糸のような髪を撫でると、
とん、と千聡の額が肩に触れた
傷に障らないように気をつけてくれているのがわかった。


「杏寿郎さん」

「どうした?」

「好きです。
触れてくれる手も、口づけも、私をこれ以上なく大切にしてくださるそのお心も。」


ひとつひとつ、夜空の星の光を確かめるように紡がれる言葉が心地いい。


「こうしているととても安らいで、嬉しくて、幸せで…もっと触れていたくて…なのに」


どちらからともなく指が絡む
静かな夜に流れる穏やかな声に包まれて、心臓がうるさい。


「私ばかり緊張して怖がって、ごめんなさい。私も、早くちゃんと杏寿郎さんと」


千聡の頭を抱き寄せ、胸にぴたりと耳をつけた。


「…!!…杏寿郎さん…」

「…聞こえるか?」

「はい…」

「俺が君を愛しく思う気持ちは、募ることはあれなくなることはない。だから、何も気にしなくていい。ゆっくりで、いい」


華奢な腕が背にまわり、小さく頷く気配がした


「…おやすみ、千聡」






















(俺は君が思うよりずっと欲張りだ。君とずっと一緒どころか、いつかは…家族が増えたらいい。どんな日々が待っているだろう。
だがまだもう少し…二人でいるのも悪くないか)



「…んん…きょうじゅろ、さ…」

「ん?」

「……すぅ…すぅ…」


己の胸元で無防備な寝息を立てる柔らかな重みに、参ったと束の間目を閉じた。
先程千聡に言った言葉は嘘ではないが…いつまで待てるか、などと弱気な考えが浮かんでくるとは、鍛錬が足りないらしい。



(さて、今夜も眠れそうにない。また素振りでもするか)










【任務完了!?  終】




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