第8章 回想
夢主side
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『ジョルノ…ごめんなさい。私、ジョルノと結婚はできない。』
ジョルノが目を見開く。
「突然どうしたんですか…何かあったんですか」
『ジョルノには本当に感謝してる。でもあなたを愛してるかと言われたら、分からないの…ごめんなさい。』
「__そんなの、僕は全く気にしませんよ」
『え…?』
一瞬耳を疑う。
向かい側のソファに座っていたジョルノが、立ち上がり私の側にきて隣に座る。そして私の肩を引き寄せた。
「僕は何が何でも貴方を手に入れたい。どんな手段を使ってもだ。」
耳元でそう呟かれゾクリとする。
『…っ、私があなたを愛してなくても…?』
「構いませんよ。君が僕のものなら、いいんです。」
ものなんて…そんな。
『ジョルノ…そんなの、あまりにも悲しいわ。』
「僕は、自分がこれと決めたものは絶対に手に入れたいんだ。」
知ってる、ジョルノは優しい。でも時々こう言う側面を見せる。
驚く程冷酷に、冷静に…自分の目標の為なら手段は選ばない。
でも、ここで引いたら…私はずっと鳥籠の中で生きていかなくっちゃあならなくなる。
そんなのは嫌だと、強く思った。
『ジョルノ…ごめんなさい』
ジョルノの手をそっと握る
そして
「!?まさか…夢主!!やめ…」
自分でも驚く程物凄い集中力だった。
「何だ…気分が……」
一時的にジョルノの副交感神経を刺激した。
みるみるジョルノの血圧や心拍数が低下する。血流を減らし脳への酸素供給が減少すると人はどうなるか。
所謂失神時と同じ状態にする。
直ぐにジョルノは意識を失った。
念の為脈と呼吸をみて安心する。
『成功した…』
これなら、暫くしたらジョルノは目覚める。
__私がここから逃げた後で
最低限の荷物をまとめる。
当てはなかった。
でも、気付くと屋敷を飛び出していた。
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