第5章 ドキドキ
「別名でやってるから、見かけたことないと思うけど…。」
「ない…です…。」(ペンネームで…。)
「明日はその記念パーティーに参加しないといけない…1日…。」
「…よ、読んでみたいです!」
「絶対ダメ。」
「え…な、なんでですか…?」
「恥ずかしいから。」
「えぇ…読みたかった…です…。」
「ダメ。」
リビングと寝室以外にもう一部屋あった。そこが小説を書くための書斎らしい。
「探します。」
「やめて。」
首を振った黒河さん。
「もしかして…書斎とかに置いてありますか…?」
「…」
「見たいです…!」
「ダメ~。」
「…」(読みたい…。)
「…どうしても見たい?」
「…」
私は頷いた。
「じゃあ…キスしていい?」
「!…」
「嫌なら見せられないなぁ。」
「…」(見たい…けど…キス…恥ずかしい…。)
「フフッ…。」