第4章 一緒に過ごす夜
黒河さんがお風呂に行った。私はその間、その場から動かず、スマホをいじっていた。優衣にLINEを送る。
【黒河さんの家で…お泊りすることになったんだけど…。】
すると返信はすぐ返ってきた。
【え!?マジ!?おめでとうじゃん!】
【なんか…緊張する…。】
【大丈夫だって。え…てことは…夜にそういう行為とか…しちゃう感じ?】
「!…」(え…そういう行為って…。)
全く頭になかった。
【元彼とは1回しただけだったよね?全然気持ち良くなかったって。黒河さん絶対上手いよ。】
【変なこと言わないで。】
【ごめんごめんw】
さすがに…出来ない…いや…してこないはず…。
「…」
黒河さんと元彼は違う…。何度も何度も…自分にそう言い聞かせている。なのに…頭は理解している…でも…体は言う事を聞いてくれない。
「お風呂、あがったよ。」
「!…」
深く考えすぎていたらしい。いつの間にか黒河さんがお風呂からあがっていた。
「…どしたの?そんな深刻そうな顔して…。」
「…あの…。」
「ん?」
「…どう…すれば…トラウマって…消えますか…?」
逃げてばかりじゃ嫌だ。
この人とちゃんと向き合いたい。