第3章 少しだけ好き
結局、乾燥機付き洗濯機の使い方を教わり、入る前に下着を洗ってお風呂を出たら着る。というような形にした。
「…」(広いお風呂…。)
シャンプーも…リンスも…ボディーソープも……全部黒河さんと同じもの。
「…////」(なんか…恥ずかしい…。)
*
乾いたタイミングを見計らってお風呂から出た。
「お風呂とお洗濯…ありがとうございました。」(やっぱり…黒河さんの洋服…大きい…。)
「…あ…うん、湯加減は?大丈夫だった?」
スマホを机の上に置き、私の方を向いてくれた。
「はい、とても気持ち良かったです。」
「良かった。おいで、髪乾かしてあげる。」
「あ…ありがとうございます。」
黒河さんの前に座り、ドライヤーで髪を乾かしてもらった。
「そういえば、親御さんに連絡した?」
「あ…はい、しました!」
【人身事故起きちゃったみたいで…友達の家に泊まらせてもらう。】
【人身事故!?大丈夫なのかしら…。とりあえず了解よ。迷惑かけないようにね。】
「…」(友達って嘘ついてゴメンお母さん…。)
ドライヤーの音が大きく、会話をしてもあまり聞こえないから話すことはしなかった。
*
「よし…乾いた。」
「ありがとうございました。」
「ん、どういたしまして。じゃあ俺も入ってこようかな。どする?先ベッド行ってる?」
「あ……ま…待ってます。」
「そう?じゃあ風邪ひかないように、ブランケットかけて、待ってて?」