第17章 不思議な体験
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夕食を食べ終え、家に帰ってきた。
「お風呂沸かしてくるね。」
「あ、うん。」
「そうだ!DVD観よう?これ、セットしておいてくれる?」
「わかった…!」
珍しく猫の恩返しじゃない。借りてきたモノなのか、パッケージがないのでどんなお話なのかわからない。題名は「赤い鏡」
「…?」(お姫様の物語…とか?)
DVDをセットして、最初の予告などを見ていた。
「お、ありがとう~!」
怜さんが戻ってきて、一緒に観ることになった。
「電気消していい?雰囲気出そう。」
「え…い、いいけど…。」
「やったー!」
電気を消しに行くついでに、冷蔵庫からジュースを持ってきてくれた。
「ありがとう…!」
「どういたしまして~。」
「…どんなお話なの?」
「ん~?なんか、赤い鏡を見たら死ぬっていう内容。」
「……え、ホラー?」
「そう。」
「嫌だ!」
「え、もう始まってるから。」
「いや、ホラーは無理だよ…!」
「はい、上映中は席を立たないよう、お願いいたします。」
座ったまま後ろから抱きしめられた。部屋の中が暗いので本当に映画館みたいだった。