第4章 氷のような瞳に熱を
兵長の言葉に目を丸くする。
_____ 甘やかしたい…?私を?
「っ…なん…え…?」
「分からねぇか?お前の事が好きだから甘やかしてぇって思うし触れたいとも思う。」
「〜〜っ…そんなっ…」
「信じられないか?」
そりゃ信じられる筈がない…。
こんな私のことを好きになる人だなんて居ないって思ってた…
それにこんな世界だ。
好きな人が出来たとしても幸せになるだなんてない…。
だから諦めていたというのに…
震える唇で私は目を逸らしながら言う。
「…私は…応えるかなんて…分からないから…」
可愛くもない台詞に兵長はクスっと笑って
「ああ、構わねぇ。応えるまで振り向かせるまでだ」
「っ…!信じられないっ…」
「何とでも言え。どんなお前でも俺は好きだ。」
そう言って私の頭を撫でて横を通り過ぎる兵長。
ドキドキと心臓が止まらない。
「最悪っ…」
って思うのに強く思えないのは ____
知らないうちに惹き込まれているからなのかもしれない。
「、置いて行くぞ。」
「…今行きますよ。」
兵長の元へと走り出しまた通路を二人並んで歩き出す。
氷の瞳だった少女に火が灯され始めた瞬間だった。
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