第4章 氷のような瞳に熱を
____ 冷たく、ただじっと睨みつける瞳に熱を
私は人と関わるのが嫌いだ。
あの欲を孕んだ瞳と見切りを付けたあの目が不愉快で人と関われば関わる程、それが手に取るように分かる。
人間は汚くて、脆く、欲には貪欲。
気持ち悪くて虫唾が走る。
だから壁外調査以外は人と関わらないようにしている。そんな事をずっと続けているからか同期から付き纏われたり、話しかけられたりが殆ど無い。
必要な時だけ会話をする。
班長になった今でもそれは変わらずにそうして過ごしていた。
そんな私に…凝りもせず話しかけてくる人物がいる。
その人物は ___ 。
「。」
書類を見ながら歩いていると背後から名前を呼ばれ振り向くとあの人類最強…リヴァイ兵長が歩いてきていた。
そう、この人物こそが何故かしつこく話しかけてくるのだ。
「…何でしょうか。」
「これからエルヴィンのとこに行くのか?」
「…そうですけど何か?」
いつものように冷たく突き放すような言い方をして言葉を返すとリヴァイ兵長は気にも止めてないような顔で言う。
「いや、俺も今からエルヴィンの所に行くんだが一緒に行ってもいいか?」
「…はぁ、構いませんけど。」
「ならよかった。」
少し嬉しそうにする兵長。
何がそんなに嬉しいんだろうと軽く首を傾げて兵長に背を向けて歩き出す。
その後ろを兵長が私の歩幅に合わせて歩いてくる。
不思議な人。こんな私に話しかけたりして楽しいんだろうか。
つくづく何なんだ…この人と心内で吐き捨てる。
通路には二人の歩く音だけ響く中、兵長がいきなり沈黙を破るように私に問いかけてきた。
「お前、同期の奴等とは相変わらず話したりしねぇのか。」