第55章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻
白藤視点。
ずっ…みち。
痛い。
聞いてはいたけど、まさか自分が体験することになるなんて。
「はっ…ん…」
破瓜の痛みとはよくいったもので、侵食してくる冨岡の陰茎の質量に比例してじわじわと体に痛みが走る。
冨岡の苦悶の表情。
それがいつもより艶のある表情で……
綺麗。
「はっ…白藤…大丈夫か…?」
彼が余裕の無い顔で聞いてくるものだから、本当はまだ自分も回復していないのに、抱き締められた温もりから、またも愛しさが込み上げる。
「大丈夫、……好きよ、義勇」
体の痛みが無くなった訳ではないけれど、変わらず自分を気遣ってくれる冨岡がやはり好きで。
口付けが嬉しい。
彼の優しさが伝わってくるようで……
「もう良いよ、動いて」
「しかし……」
「うん、痛い。でもね、苦しくないよ。それにね、私、貴方に愛して欲しい」