第55章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻
「そんな顔しないで。……私が私のままでいられたのは、義勇のおかげ」
「俺は何も……」
「うん。でも、義勇の傍が一番落ち着くの」
白藤の指が冨岡の頭を撫でる。
「ふふっ、義勇可愛い」
「可愛いは止めろ」
「えー、なら綺麗」
「綺麗なのはお前だろう?」
「んー、だってこんなに…あ、ちょっと…義勇…」
予告もなく、白藤の耳朶を舐める冨岡に彼女が戸惑う。
「耳は…あっ…何か…違うょ…///」
「違くない…」
白藤は耳も性感帯か?
息が荒くなったし、瞳も潤んで…
冨岡は生唾を飲み込む。
焦るな、白藤を傷つけてはいけない。