第53章 裏夢ランキング記念 高嶺の藤に手を伸ばす$
がつがつ。
まるで獣の繁殖行為のような体勢に白藤の体も消耗してきた。
無理もない。
かれこれ四半刻近く繋がっているのだから。
そろそろ、夜明けが近い。
これで、最後かな?
白藤を突き上げながら、部屋の隅に置いてある鏡台に映る自分達を見て炭治郎は思った。
あぁ、これが満たされないということか。
炭治郎はこの時初めて渇きというものを体験した。
全く、叶わぬ恋とはよく言ったものだ。
「白藤さん、俺諦めませんから」
強い言霊は人の願いになる。
そうして、言葉に出して強く願うことで言霊は力を増すのだ。
たとえ、願う相手が手に入らずとも、その心の片隅に俺という存在が残るように、祈る。
-了-